アトピー性皮膚炎はさまざまな要因がからんで起こる慢性の皮膚病です。最近では、慢性の皮膚炎が、全身に与える悪影響を与えるという事も徐々にわかってきております。(色々なアレルギーになりやすい、心血管系の病気になりやすい等の可能性が指摘されています。)昔は、”皮膚がわるいだけで、全身には問題ない”と、言われていたようですが、それは誤りです。お肌を良い状態に保つことは、健康においても大変重要なことなのです。

<治療方針>

1、速やかに皮膚炎を抑える。

外用薬は躊躇せずに十分使用してください。
掻かないように抗アレルギー薬も併用します。
時にはステロイド内服、重症例にはネオーラルを使用します。

2、湿疹の無い期間を少しでも長く。

落ち着いたら保湿剤中心にスキンケアを継続していただきます。
かゆみが少しでも出たら、すぐに部分的に湿疹の外用薬を使います。
ただ、うまくいかないことも残念ながら多いです。

そのような場合は、改善した後も、週に1,2回の頻度で湿疹の外用薬を、皮膚炎がなくても継続します。この頻度なら、最強の外用薬以外であれば体への影響が出たという報告はありません。慢性に続いた湿疹により、一見キレイになっても、皮膚の表層近くまで神経が伸びており、かゆみに非常に敏感な状態が続きます。敏感な状態が元に戻るのに、2.3か月かかるんです。ゆえに、キレイになった後、その状態を維持することが大事なのです。

3、検査や、ほかの治療は?

主に重症の方や難治の方へは、採血にて現在の病勢の評価を行います。

パッチテスト、採血にて悪化因子の検査を行っています。

重症の方へのネオーラルの内服治療も行っております。

頑固なかゆみに紫外線治療も行っております。

4、眼の病気に注意

アトピー性皮膚炎は、目のトラブルも起こしやすいですので、眼科とも連携して診療しています。円錐角膜、白内障、緑内障、網膜剥離など。
特にごしごし掻いていて皮膚が厚くなっているような場合は、ぜひ眼科検診を受けてください。また、外用剤が長くなると、まれに敏感な方は目への影響も出ることがあり検診をお勧めしております。かかりつけが無い場合は、私の信頼できる先輩である、さの眼科さんをご紹介いたします。

5、毎日のケア

洗いすぎに注意!

キレイしようという意識が強すぎて、ナイロンタオルでごしごし洗いすぎている方がおります。また寒風摩擦や、あかすりなどもオススメしません。弱酸性の洗浄剤をお使いください。良く泡立てて、手を使い、やさしくなでる程度で十分です。
お風呂上りには保湿をしましょう。



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